「戦略経営者」4月号(2023/4/1 発行・出版社 株式会社TKC)に弊社代表 永井のインタビューが掲載されました。

※以下、一部抜粋

リフォーム工事のリモート施工管理と建設技術者の人材紹介で急成長

リフォーム業界で今、大きな注目を集めているのが、トップリフォ-ムだ。リモート施工管理による効率化と腕の良い職人のネットワーク化で低価格高品質の施工を実現。争奪戦になっている建設技術者の人材紹介事業でも抜きんでた成果を収めつつある同社の永井社長に、成長の秘訣や今後の戦略を聞いた。


 トップリフォ-ムは、高品質かつ低価格のリフォ-ム工事を手がけ注目を集めている企業だ。BtoBに特化し、全国対応しているのが大きな特徴。リモートによる効率的な施工管理と腕の良い職人のネットワーク化が評価され、次々と顧客の獲得に成功している。永井社長はまずリモートによる施工管理について説明する。

「Zoomなどのオンラインツ-ルを用いて、本社の施工管理者が現場をリモートで確認します。お風呂の解体工事をどこからどこまですればよいか、床材の納まりをどうすればよいかなどについて画面を共有しながら施工管理者がオンラインで指示を出します。施工管理者は1日に複数の現場をまわったりしますが、そのうち数時間は車での移動時間ということも少なくありません。そうした移動時間をカットして大幅に施工管理業務の効率化を実現しています。」
 当社では施工管理業務を行う本社スタッフ23人のうち国家資格保有者が18人。資格保有者をヘッドハンティングしたのではなく、ほとんどが業務を行うなかで短期間で知識を習得、試験に合格したのだという。永井社長は、移動時間をカットできる分、施工管理の経験を短期間で積み重ねることができるのが強みだと話す。
「通常施工管理者が同時並行で進める現場は2、3件で、多くても5件くらいが限界です。それでは場数を踏むのに時間がかかる。一方当社では、見積もりや施工完了後の業務も含め1人あたり月に30件の現場に関わっています。経験する工事の数が圧倒的に多く、国家資格の早期取得につながっているのです」
 同社は施工管理者の中途採用を行うなかで、応募者にアンケートをとったところ、転職を希望する理由のトップと2番目が「長時間労働」「休みがなかなかとれない」ことだったという。慢性的な建設業従事者の人手不足が続くなか、効率化による生産性向上は急務だ。その点同社の施工管理者の平均残業時間は1日あたり1時間。施工管理コストの圧縮により生産性向上と労働時間の短縮を同時に実現しているのである。

ISO9001基準でチェック

 施工品質の高さkも大きな特徴だ。ISO9001認証取得、建設業許可、1級建築士事務所の登録を完了しているうえ、全国の腕の良い職人をネットワーク化。施工技術やホスピタリティーの水準なのど、独自の判断基準に基づき厳しく審査を行い、登録にいたるまでの割合は接触を試みた職人のうちわずか2%だという。面談はオンラインで行うが、テスト施工は必ずスタッフが現地に赴いて確認する。
 工事ごとに施工方法や養生の方法、段取りの仕方、安全確保の決まりなどについてISO9001の基準をベースとした詳細なチェックシートを用意。標準化された仕様と高品質の施工により、日本全国同一基準、同一価格での工事を実現している。

非寡占化市場に好機

 そもそも同社はなぜ、リフォ-ム業界で新規ビジネスを展開したのか。永井社長は、業界のある特殊な状況があったからだと説明する。「市場規模は約6兆円ですが、売り上げランキング上位10社が合計で12%のシェアしかありません。ところが、約10兆円のマーケットである新築住宅では1位から10位までで全体の90%超を占めています。また約5兆円の市場規模がある家電量販店では上位10社が98%に達しています。数兆円規模に達した成熟産業では上位の会社による寡占化が完了しているのですが、リフォ-ム産業だけこの動きに取り残されているのです」
 永井社長によると、業界の状況は中古車買い取り販売業が急成長した歴史に似ているという。かつては小規模の中古車販売会社がひしめいていたが、ガリバーインターナショナルが中古買い取りという新しい切り口のビジネスモデルで参入、急速に成長。その後次々に大手が誕生し、今や市場規模5000億円の市場の99%をトップ10企業が占める業界に変貌した。寡占化が進んでいないリフォ-ム産業で、新しいビジネスモデルを引っ提げ新規参入を果たせば、一気にトップシェアをねらえると考えたのである。
 ところがなかなか「画期的なビジネスモデル」は見つからず、ベンチャー企業の資本力では一気呵成に占有率を高める力業はできそうになかった。永井社長はもう一度じっくり市場を分析。そこで到達したのが、下請けを極めるというビジネスモデルである。
 「リフォーム業界は従来から事業を行っているリフォーム会社、中古リフォームの需要増を見込み力を入れ始めたハウスメーカー、家電量販店、ホームセンター、インターネットサ-ビス会社などありとあらゆる業界から新規参入が続いている数少ないマーケットの1つです。内需が頭打ちになっているなか、この寡占化されていない市場が魅力的に映っているのでしょう。しかしこうした新規参入組にとって、職人や施工管理者の確保が課題になっていることが分かりました。そうした企業の課題を解決するサービスを手掛ければ、全国規模で成長できると考えたのです」
 この仮説の正しさはその後の実績が証明している。大手企業を中心に取引企業は100社を突破、2022年の施工件数は4000件に達した。今後もしばらく年率1.5倍以上の成長を継続する見込みだ。

 - 以下省略 -